冬の入浴「ヒートショック」に注意(2015年12月18日) |
自分の防備記録で再掲をします。
冬の入浴「ヒートショック」に注意
「日テレニュース24」2015年12月18日 02:31
キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。2015年12月17日は、「ヒートショック」をテーマに諏訪中央病院・鎌田實名誉院長が解説する。
1.命の危険も
ヒートショックとは、入浴時などの急激な温度差が原因となって、血圧が急激に変動する事をいう。場合によっては、脳卒中や意識障害など、命の危険にさらされる場合がある。
東京都健康長寿医療センターによると、2011年の1年間で入浴中に死亡した人は、全国で約1万7,000人と推定されていて、その多くがヒートショックによるものだとみられている。同じ年の交通事故の死亡者数は4,663人なので、比べてみても3倍以上にもなる計算だ。
2.時期による違いは?
時期によってどのくらい違いがあるのだろうか。2011年に入浴中に心肺機能が停止した人を月別に表したグラフでは、最も多い1月には1,759人で、その次に多い12月でも1,562人。東京都健康長寿医療センターでは、この寒い時期に増加しているのはヒートショックが原因だとみている。亡くなっているのは高齢者が中心だが、若い人でも注意しなければならない。特に12月、1月は要注意という事になる。
(1)まず、脱衣所が寒いと血圧が上昇する。
(2)また、浴室が寒いとさらに血圧は上昇。
(3)そして浴槽に入ると、熱さのために交感神経が緊張して、さらに血圧は上昇する。
(4)その後、浴槽内で体が温まると血管が広がって、血圧が急激に下がる。この変動が大きな問題を起こす。
4.若い人も注意を
若い人も注意が必要ということで、20代の女性の入浴時の血圧の変化を表したグラフによると、脱衣所から10℃の浴室に入ると、血圧は95から115まで上昇し、お湯に浸かると120を超えた。さらに入浴を続けると95まで下がり始めた。
5.血圧が下がる時も注意が必要
これは大変な変動で、血圧が激しく上がると脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす可能性があるのは有名な話だ。そして今回強調したいのは、浴槽に入って急激に下がる時に意識障害や失神が起き、命に関わっているのではないだろうかという事だ。血圧が下がっている時にも注意が必要となる。
東京都健康長寿医療センターの高橋龍太郎前副所長によると、「日頃元気な方でも、高齢者は血圧が上下しやすい。高血圧の人の場合は、血圧が下がりやすく、意識を失う可能性が高い」と話している。
6.ヒートショックを防ぐには?
では、ヒートショックを防ぐにはどうすればいいのだろうか?何よりも大切なのは「温度差をなるべく小さくする事」。
さらにお湯に入る時、国立循環器病研究センターによると、40℃以下だと血圧の変動が減るとみられるという事で推奨している。ぬるめのお湯の方がいいという事になる。
7.食事直後や飲酒時の入浴は避ける
そのほかに気をつける事は、入浴する時間にも注意したい方がいい。食後1時間以内や飲酒している時は、血圧が下がりやすくなる。食事直後や飲酒時の入浴は避け、時間をおいてからの入浴がよい。
8.お風呂で健康に
以下、別の記事です。
冬時期、急増のヒートショック
東京都健康長寿医療センター
1.ヒートショックとは
聞きなれない言葉かもですが、ヒートショックというのは、急激な温度変化が体に及ぼす影響のことです。
冬の入浴時や冷暖房のきいた部屋から外に出た時に起こりやすく、脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な疾患につながる危険性があります。
ヒートショックが原因で亡くなる方は年間1万人以上いると言われています。特に寒さが厳しくなる冬場に起こりやすくなりますので、予防方法などを知っておきましょう。
人間の体には、環境の変化に合わせて体温を常に一定に保つ働きがあります。暖かいところでは血管が拡張して血圧は下がり、寒いところでは血管が収縮して血圧は上がります。
温度の変化が緩やかであれば問題はありませんが、急激な温度変化にさらされた場合は、血圧や脈拍にも急激な変化が起こります。これがヒートテックと呼ばれる状態です。
冬の時期、暖かい居間と暖房のない脱衣所や浴槽との温度差が10℃以上に起こることはまれではありません。
このような温度環境の場合、暖かい場所から寒い脱衣場への移動、そして熱い湯船への移動という小さな動きの中での急激な温度変化が短時間のうちに起こり、これに伴って血圧の急激な上昇や下降が引き起こされます。
ヒートショックは体に大きな負担をかけるため、冬の入浴中に起こる突然死の大きな誘引となります。例えば、血圧が急激に上昇した場合は、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などで死亡する恐れがあります。逆に急激に血圧が低下した場合は脳貧血を起し浴槽でめまいを生じてけがをしたり、溺れたりする危険性がありがちです。
温度差が大きくなりがちな12月・1月は入浴の突然死が最も増えるのですので特に注意が必要。
2.入浴に伴う血圧の変動
(1)寒い脱衣所での衣服を脱ぐと、体から熱が奪われないように毛細血管が収縮し血圧が上昇!
(2)浴槽に入り熱い湯に触れると交感神経が緊張するため、血圧が急激に上昇!
(3)浴槽内で肩までどっぷり湯に浸かると水圧により心臓に負担がかかり、さらに血圧が上昇!
(4)その後入浴内で体が暖まると血圧が拡張し、血圧が上昇!
(5)浴槽から上がると水圧がかからなくなるため、血圧は降下します!
(6)入浴後、脱衣所が寒いと暖まった体が冷えるため、熱が奪われないように再び毛細血管が収縮し血圧が急激に上昇します。
※ヒットショックを受けやすい人は、高齢者、高血圧、糖尿病の病気を持つ人、動脈硬化がある人です。
また、肥満気味の人や無呼吸症候群などの人、不整脈がある人など、次に挙げるような場合にも、ヒートショックの影響を受けやすいといわれています。
65歳以上の方。
高血圧、糖尿病、動脈硬化がある。
不整脈がある。
自宅の脱衣所や浴槽に暖房器具がない。
熱いお風呂が好き。
お酒を飲んでから入浴する事がある。
3.ヒートショックの予防と対策
冬場の入浴時の事故を未然に防ぐためには、居間と脱衣所と浴室の温度差をできるだけ小さくしておこくとが大切です。また、ぬるま湯のお湯加減でじんわり体を暖めるようにしましょう。
加えてトイレにも小さな暖房器具を用意しておくと良いでしょう。
4.ヒートショックを防ぐ入浴法
(1)脱衣所に暖房器具を置くなどして、入浴前の脱衣所を暖かくしておく。
(2)浴槽の蓋をあけて、服を脱ぐ前に浴室の床に暖かいシャワーをまくなどして、浴槽を暖めておく。
(3)湯船に入る前に手足といった末端の部分から、かけ湯をして徐々に肩まで沈めていく。
(4)心臓病や高血圧の人は半身浴にし、肩にお湯で暖めたタオルをかける。
(5)入浴時はほんのり汗ばむ程度にする。
(6)湯船から出る際は、急に立ち上がりずに、ゆっくりと立ち上がり、湯船から出る。
(8)入浴の前後にはコップ1杯程度の水分を補給する。
※家族に高齢者や高血圧、糖尿病などの人がいる場合には、入浴中に声を掛けるようにしましょう。