「岡本ホテル」をきょう捜索 出資法違反容疑(2010年05月26日) |
「岡本ホテル」をきょう捜索 出資法違反容疑 200億不正集金か 一部暴力団に流れる?
2010.5.26 07:11
ホテル事業を展開する「岡本ホテルシステムズ」(東京都中央区)と関連会社が、5年後の元本保証をうたい会員制クラブへの入会金名目で預託金を不正集金した疑いがあることが25日、捜査関係者への取材で分かった。出資者は少なくとも5千人を超え、約200億円の預託金を集めたとみられる。警視庁などの合同捜査本部はすでに複数の営業担当者から事情を聴いており、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで、26日に関係先約90カ所を家宅捜索する方針を固めた。
預託金の一部は活動資金として暴力団側に渡った可能性もあり、捜査本部で不透明な資金の流れの実態解明を進める。
関係者によると、同社は平成17年4月、会員制温泉クラブ「岡本倶楽部」の運営を開始した。入会預託金は100万円、300万円、500万円、1千万円の4種類で、預託額に応じて岡本ホテルグループのホテルに宿泊できるポイント券(60万~815万円分)を交付。ポイント券は宿泊に使用しない場合、60~75%で買い取るとしたうえで、預託金についても「5年後に全額返金される」と宣伝した。説明上ではホテルを利用しない場合、最大で約10%超の高い年利がつく計算となる。
17年の1次募集では約1200人が入会。翌18年4月以降も2~4次会員を随時募集しており、入会者はこれまでに5千人超、預託金総額は約200億円を超えるとみられる。しかし、捜査関係者によると、預託金の一部は暴力団が関与するヤミ金業者などに流れた疑いのあることが判明。解約時のトラブルも複数あり、預託金の募集を始めた当初から、元本保証が確約できるシステムではなかった可能性が高いという。
捜査本部は岡本倶楽部の預託金について、出資法が不特定多数から業として集金することを禁じている「預かり金」にあたるとみている。
岡本倶楽部は18年10月、岡本ホテルシステムズの関連会社(東京都)に運営が移管されている。
岡本ホテルシステムズは昭和62年に不動産会社として設立。平成10年ごろ休眠状態に陥ったが、12年に元会長が経営に参加し、別会社が経営していた施設を買収するなどしてホテルグループを形成。現在は関連会社を含め、神奈川、静岡、山梨、新潟など7県で11のホテル経営にかかわっており、タレントを起用したテレビCMなどで積極的な宣伝活動を行っていた。
以下は、毎日放送です。
岡本ホテル、出資法違反容疑で捜索
「岡本倶楽部」と称する会員制のリゾート温泉クラブが、全国の高齢者ら6000人から、およそ300億円を違法に集めていた疑いが強まり、警視庁などは岡本ホテルグループの強制捜査に乗り出しました。
静岡県熱海市の中心部に立っている岡本ホテルは、地元でも老舗の温泉旅館として知られていました。普段は静かな温泉街に、午前7時過ぎ、50人を超える捜査員が強制捜査に乗り出しました。
出資法違反の疑いが持たれているのは、静岡県熱海市などで岡本ホテルを運営するホテルグループで、警視庁などは、26日朝から岡本ホテルや東京の運営会社など、およそ60か所の家宅捜索を行っています。
警視庁の調べによりますと、このグループでは、「岡本倶楽部」と称するリゾートクラブの会員になれば、「岡本ホテル」の系列ホテルにただで宿泊出来るうえ、5年後には元金が返還されるなどと宣伝し、静岡県内の男女ら数人から3億円余りを違法に集めた疑いが持たれています。
岡本倶楽部は、最高で10数パーセントの高い利回りを約束したうえで、全国の6000人から300億円を集めたとみられますが、警視庁によりますと、実態は集めた金をほかの会員の配当にまわす自転車操業で、一部は暴力団に流れた可能性もあるとみて、今後、実態解明を進める方針です。(26日09:45)
以下は、朝日新聞です。
老舗の「岡本ホテル」出資法違反容疑で捜索 熱海
2010年5月26日7時42分
岡本ホテルの家宅捜索に入る捜査員ら=26日午前7時すぎ、静岡県熱海市、水野義則撮影。
元本保証をうたって預託金を不正に集めた疑いが強まったとして、警視庁と静岡、兵庫両県警などは26日、静岡県熱海市の老舗(しにせ)温泉ホテル「岡本ホテル」や会員権管理会社「オー・エム・シー(OMC)」(東京都中央区)などを出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで家宅捜索を始めた
同庁は、OMCが約5年間で全国の約6千人から少なくとも200億円を集めていたとみており、資金の一部が暴力団に流れた可能性も視野に解明を進める。
岡本ホテル関係者によると、OMCは「岡本倶楽部」の名称で2005年5月ごろから会員を募集。同社のパンフレットによると、50万~3千万円を預けると、満期の5年後には預けた額の約8~9割に当たる「預かり保証金」が戻ると保証。また、系列ホテルの宿泊に使えるクーポンがもらえ、使わなかった分は出資額ごとにそれぞれの割合で返金されるとし、預かり保証金と合わせれば当初預けた額以上が戻ってくるとうたっていた。
出資法は、金融機関などを除き、不特定多数から資金を預かることを禁じている。
岡本ホテルは1932年に熱海市に開業した岡本旅館が前身。
次は、asahi.comです。
老舗の「岡本ホテル」出資法違反容疑で捜索 熱海2010年5月26日10時49分
静岡県熱海市の老舗(しにせ)温泉ホテル「岡本ホテル」などを舞台に、元本保証をうたって預託金を不正に集めたとして、警視庁と静岡、兵庫、福井各県警は26日、会員権管理会社「オー・エム・シー(OMC)」(東京都中央区)や系列のホテル、関係者の自宅など数十カ所を出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで一斉に家宅捜索した。
同庁は、OMCが約5年間で全国の約6千人から200億円以上を集めたとみている。資金の一部は暴力団に流れた可能性もあるとみて解明を進める。
同庁組織犯罪対策4課などによると、OMCは「岡本倶楽部」の名称で2005年から会員を募集。50万~3千万円を預けると、満期の5年後には預けた額の約8~9割に当たる「預かり保証金」が戻ると保証。また、系列の計11のホテルの宿泊に使えるクーポンがもらえるほか、使わなかった分は出資額に応じて返金され、預かり保証金と合わせれば当初預けた額以上が得られるとうたっていた。
現在も会員の募集を続けている。しかし、返金が滞ったなどとして会員とトラブルが発生。元会員が出資金返還を求める民事訴訟も起きている。
また、滞納を理由に、熱海岡本ホテルの土地・建物が市に差し押さえられている。