温泉の分化-酸性とアルカリ性(2009年01月19日) |
別府八湯温泉道初代名人であるために、色々と質問を受けますが、自然系の話はさっぱりです。今回は、酸性とアルカリ性温泉について質問を受けましたので、ブログで公開します。参考にしたHPは最後に掲載しました。数々の講座での受け売りもありますが、このHPの内容を分かりやすく改ざんしただけです(冷や汗)。よろしくお願いします。
温泉の分化-酸性とアルカリ性
温泉成分を含んだ超臨界状態の熱水が地表付近まで上昇してくると、温度の低下で超臨界状態が解ける。火山付近では地下2から3km位で、熱水は液体(水)と気体(水蒸気)との2相に分離するようになる。
この時に、水溶性成分(液体に溶けやすい成分)とガス成分(液体に溶けにくい成分)とに温泉成分の分化がおこる。
水溶性成分:おもに食塩(NaCl)、炭酸水素イオン(HCO3-)、金属イオン
ガス成分:おもに硫化水素(H2S)、炭酸ガス(CO2)、塩化水素(HCl)、希ガス
●臨界状態:水は通常の状態では、液体と気体にわかれているが、ある点以上で液体と気体の境界線が無くなる。この点のことを臨界点という。超臨界状態とは、水は液体と気体の区別がつかないような状態をいう。
水溶性成分に富んだ方は、弱アリカリ性の高温の薄い食塩泉で、火山体の底のあたりに広範囲に滞留している。100℃以上あるので、時には沸騰を繰り返して、濃い食塩泉になることもある。
高温の食塩泉が表層付近の地下水と混合すると、熱交換で大量の温泉を作り出して湧出する。この場合、地下水にふくまれる炭酸水素イオンが付加されて、ナトリウム塩化物-炭酸水素塩泉(食塩-重曹泉)になることが多い。
火山ガス中の硫化水素ガスや炭酸ガスは、地中の割れ目を通って移動できるので、噴気地帯から遠く離れたところの冷たい地下水に溶け込むことがある。そして、単純イオウ泉や炭酸水素塩泉のもとになる。
マグマが地下深部に存在するとか、冷却が進んでいるという理由で、火山噴気が地表に達しない場合でも、硫化水素や炭酸ガスだけが地表付近まで移動してきて、イオウ泉や炭酸水素塩泉(重曹泉ないし重炭酸土類泉)をつくることがある。
一般的には、一つの火山の山頂部には酸性泉が湧出し、山麓では食塩泉・重曹泉が湧出すると言われている。その際、火山体内に大量の地下水が貯えられていることである。地下水が少ないと、噴気はただ空中に拡散していくだけとなる。高温食塩泉は深いところにあるので、いつまでも留まったままとなる。
富士山や浅間山に温泉が少ないのは、火山体内に地下水を貯えずに、山麓に湧水などで流しだしてしまうような構造をしているからだとも考えられる。
一方、箱根山は大きなカルデラをもち、芦ノ湖のような大量の水を貯えているので、こうした「水」の存在が温泉湧出につながると考えられている。
以下のHPを簡単に整理しました。http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/sience_of_hotspring/sience_of_hotspring_3-4.htm